日本酒天国

いってまいりました。正確には昨日。

毎年この時期に行われている日本酒好きの日本酒好きによる日本酒好きのためのイベント、それが「日本酒天国」です。
昨年までの京王プラザホテルから場所を移し、なんと今年は国技館にて開催されました。

折りしも東京は台風が近づいてきている悪天候
ホンの何十円かの電車代を倹約しようしたために、雨の中を余分に1キロ弱ほど歩く羽目に。着いたときには洋服から水が絞れるぐらいのぬれねずみでした。

開場時刻とほぼ同時に到着し、販売品のチェックをしながら同行者を待つことに。
なぜかこの時点で足元がおぼつかないほど泥酔した男性(両脇から人に支えられている)がいたのが印象的。あのー、まだ催し始まってないんですけど…。

本醸造改め本条嬢、兄弟子Yさん、大学の大先輩であるHさんおよびHさんの会社の同僚であるKさんが次々到着。もうひとりの参加者である社長Mさんは遅れるとのことで会場へ突撃開始。

入り口をくぐるとそこはまさに地獄絵図ならぬ日本酒天国が展開しておりました。普段なら土俵がある中央部分に所狭しとならぶ蔵元のブース、その間を隙間なく埋める人、人、人。東西の番付表には力士の名前の代わりに蔵元の名前が並んでいます(芸が細かい!!)会場内で本条嬢のお知り合いであるifさんとも合流。

まずは昨年の大ヒット作でもある三河みりん(愛知)の「梅みりん」を頂きに会場を斜めに横切ります。これは名前の通りみりんに青梅をつけて梅酒のようにしたものなのですが、とにかくおいしい。昨年の段階では試作品ということだったのですが今年はとうとう製品化されたとのこと。残念ながら会場での販売はありませんでしたが、これなら取り寄せるだけの手間をかける価値は十分あります。

三河みりんの隣でなぜか配っていたのが「酒屋の塩」。これは塩をつまみに呑んでくださいということでしょうか?ちなみにこのイベント、なぜか入り口でおつまみの詰まった折り詰めとお猪口が配られます。

その次は梅酒・甘酒ブースへ移動。「加賀梅酒」ほか梅酒4種、信濃錦(長野)および一ノ蔵(宮城)の甘酒を使ったカクテル(?)をそれぞれいただきます。んー、これはどうかな。美味しくない、ということは決してないのだけれど、そのままでもいいんじゃないかと思わないでもない感じでした。

甘酒つながりで今度は一ノ蔵(宮城)の蔵元ブースへ。昨年甘酒を飲み損ねたので今年こそはと勢い込んでいきます。うん、これはおいしい。やっぱりカクテルにするよりそのまま飲んだほうが美味しいですね。さらに「すず音(発砲清酒)」と「ひめぜん」をいただきます。ここの蔵元はいわゆるお米のワインのような甘口で変り種系のお酒を売り出した草分け的存在なのですが、元祖だけあって美味しいし安心して任せられるといった感じです。

次は真澄(長野)のブースへ。まずは手堅く「山花(純米大吟醸)」から。これはかなり辛口のお酒で、学生時代に特に好きだったお酒です。あいかわらず美味しい。もう一種類いただいた気がするんですが銘柄を思い出せない。なんだったかな?

さらにお気に入り蔵元である春鹿(奈良)のブースへ。春日大社のお神酒を奉納しているこの蔵元は「超辛口」というその名も辛いお酒が有名なのですが、個人的にはまっているのは「ときめき」という甘い発泡酒です。昨年最後の最後までこの「ときめき」を飲み倒していたら蔵元の方に顔を覚えられていました。ブースに行ったとたん「あー、覚えてますよ。去年も来て下さいましたよねー」と声をかけられ、うれしいような恥ずかしいような…。どっちかというと恥ずかしいかな。

遅れてきた社長Mさんが到着も、そろそろ自分好みの酒を求めて個人個人で活動開始。この頃になるとだいぶお酒が回ってきているのでどんな順でどんなお酒を飲んだかうろ覚えなのですが、とりあえず覚えている限りで飲んだお酒を列記してみます。ちなみに同じお酒を何杯もいただいたりしているので実際に飲んだ量はもっと多いはず。こういうとき、既に知っている自分好みのお酒をひたすら飲みにいくか、新しい出会いを求めて知らないお酒にチャレンジしてみるか分かれるところだと思うのですが、私自身はかなり保守的なのでどちらかというと前者。それでもいくつか新しい蔵元との出会いを果たしてきました。

・新政(秋田) 銘柄不明 酔っ払いの(人のことは言えない)おじ様から強く勧められて飲んだもの。個人的には可もなく不可もなくといったかんじでそれほど強い印象はなかったです。ごめんなさい。

・福乃友(秋田) 「亀の尾仕込 純米大吟醸」他1銘柄 昨年の日本酒天国でかなり感動した蔵元です。小さくてあまり有名な蔵ではないのですが、丁寧に作ってあってそんじょそこらの有名蔵元にはひけをとりません。今年も相変わらず美味しかったです。お気に入り。

・秋鹿(大阪) 「純米吟醸 倉垣村」 春鹿(奈良)のとなりのブース。春鹿と秋鹿が並んでいる、というの面白かったので試しに飲んでみました。感想は…あまり覚えてないです。でも不味かったという覚えがないので多分美味しかったんでしょう。

・富久錦(兵庫) 「Bucu」「純米原酒でつけた梅酒」 日本酒らしい日本酒を飲んでいないので蔵元としての評価は難しいけど、発泡酒のBucuも梅酒も美味しかったです。

・嘉美心(岡山) 「樹の上の猫」「木陰の魚」 本条嬢から教えてもらい訪問。どちらも甘口のワイン系日本酒でした。名前にも凝っていて、ラベルをみるだけでも楽しいです。他に「桜貝のうた」「渚のうた」なども有り(どちらも未飲)

・五橋(山口) 「発泡純米酒 ねね」 相変わらず甘口発砲系です。以前はかなり辛口好きだったのですが、最近ではすっかり変り種系日本酒専門になってしまいました。や、日本酒らしい日本酒も好きなんですけどね。

・鳴門鯛(徳島) 「百億の昼と千億の夜」他1銘柄 アルコール度数29度という甘口系とは別の意味で変り種の日本酒。高いアルコール度数を感じさせず、変な日本酒臭もないのでかなり飲みやすいです。ウォッカとかが好きな人は好きなんではないでしょうか。飲みすぎ危険のラベルを貼っておくべきだと思います。

・梅錦(愛媛) 銘柄不明 いくつかいただいたはずですが銘柄を覚えていません。ここは全国的も有名な蔵元なので飲んだことあるという方も多いはず。どれをとっても安心して美味しく飲めるという意味では、かなり信用の置ける蔵です。

・窓乃梅(佐賀) 「純米 十年酒 月の眠り」 ここでしか飲めないという10年物の古酒だそうです。古酒といえば、以前は甘くて癖があって苦手だったんですが、今飲むと結構美味しいですね。味覚が変わったんでしょうか。時間だけが作り出せるまろやかさ、というのも確かにあるんだなと納得させられました。

・美少年(熊本) 「純米酒」 学生時代に最もよく飲んでいた日本酒。そのせいか美味しい不味い以前に、まず、「懐かしい」という感想がどうしても先にたつお酒です。今飲むと結構特徴のある味だと思うんですが、実際の好みからいうと、実は今回飲んだ中では一番最後かも…。残念。

とりあえず今回はこれだけ。あとはワインを10種類くらいいただきました。んー、でもなにか忘れている気がしてなりません。まあ、かなり酔いがまわった状態でいましたから覚えていなくてもしょうがないですね。来年はメモ帳持参で行かなくちゃダメだな。

最後の最後、蛍の光が流れる中、春鹿のブースに戻り最後の「ときめき」をいただきました。やっぱりこれが美味しい。名前も覚えてもらったし、来年は専用のいすを用意しておいてくれるそうです。迎えに来た兄弟子Yさんとともに会場を後にします(ここにいるのはバレバレだったらしい)。

クロークで荷物を受取って、お土産を買ったりした後(もちろん「ときめき」を。「梅みりん」がなかったのが残念)、台風直撃の中を両国駅脇のビアホールに河岸を変えて二次会。酔っていてあんまり覚えていないけど楽しかったです。ifさんとHさんが初対面にもかかわらずかなり意気投合していました。こういう出会いもいいですね。