【読書感想しりとりリレー】朽ちる散る落ちる/森博嗣
読書感想しりとりリレーです。
とりあえず、引越し中でネット環境が整っていないので
タイトルだけのアップになります。
詳しくは来週あたりこっそりアップします。
…というわけで1週間もたってしまったのでようやく感想アップです。
せっかく10周目の記念だし、好きな本を紹介したいなあ、と思っていたんですけど、
タイトルメールを受け取った(そして旅人さんにバトンを渡す)時期が引越しともろに重なってしまったために、たまたま本屋で買ってあったばかりの本書となりました。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/15
- メディア: 文庫
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本書は森博嗣Vシリーズの第9作にあたり、第7作の「6人の超音波科学者」からつながる流れでのお話です。まあ、「6人の〜」を読んでなくても、一応独立した話になってはいるんですが、順番逆に読むのはお勧めできないですね。ついでにいうと、鰆さんの紹介されてた「黒猫の三角」とも微妙に関連してきます(まあ、シリーズなんだからあたりまえだけど)。
個人的には森博嗣の作品は、どの登場人物にも感情移入ができないし、会話や文章のテンポがどうにもあわなくて、正直読んでいて心地よいというには程遠いです。
それでも、文庫で新刊が発売されると必ず買ってしまうのは、とりあえずそのトリックがどうなっているのか気になって仕方がないから、の一語ですね。
今回はなんと「宇宙密室」に「地下密室」。地下密室はともかく、もはや宇宙を密室にしちゃうという発想に脱帽です。
とはいっても、ご多分に漏れず、あまりにもマニアックというか専門的過ぎる物理トリックが多いので、読んだところで、その整合性を云々できるわけではないんですけど。なんとなく、そういう発想できたか!!という驚きがあるので、やめられません。
文庫の裏表紙で「今回は○○の謎に挑む」とか書かれてると、「○○の謎」をどう料理しているのか気になって気になって(笑)
理詰めで順々に説得されていくという感覚がまたいいです。割り切れないことが多い世の中で、無理やり割り切っちゃうという強引さに溜飲が下がる思いがするのも、つい買ってしまう理由のひとつかも。
その反面、理詰めで解決している部分以外は、いまいちストーリーにしても場面にしても不自然さを感じてしまいます。うーん、(少なくとも私が知っている周りの人間は)こんな会話しないんじゃないかなあ、こんな行動とらないんじゃないかなあ、とかそういうところで引っかかってしまうんですね。
まあ、でも、多分、ほかの森作品が好きなひと(特にVシリーズ)なら十分楽しめる作品だと思います。それ以外の人は、機会があれば読んでみてもいいかなあ、ぐらいのお勧め具合です。
それにしても、ほとんどミステリ専門の私としては、ネタばれなしに感想を書くというのは本当に至難の業ですね。しかも既読本の場合には、書けるかかけないか吟味して選べるけど、未読本をタイトルに選んだ場合は鬼が出るか蛇が出るかと戦々恐々ですよ。