【読書感想しりとりリレー】ますの。/枡野浩一

前回遅刻したので、今回こそ!!と思っていたのに、えーと、帰ってきたら日付越えちゃいました。すみません。
 
というわけで、11週目の選書は枡野浩一著「ますの。」
 

ますの。―枡野浩一短歌集

ますの。―枡野浩一短歌集

 
またもや、短歌集です。そして、またもや「。」で終わってます。意図したわけじゃないけど、あんまりだな、と自己反省中です。
 
著者の枡野浩一氏は、1995年、角川短歌賞に応募した短歌が審査員5名のうち4名の票を集めながら落選、「最高得票落選」として(きわめて一部で)話題になった歌人さんです。
 
その後、「最高得票落選」が逆に追い風になり、2年後に発行された短歌絵本「てのりくじら」と「ドレミふぁんくしょんドロップ」(どちらもつい先日、復刊ドットコムから復刻版が発売されました)でデビュー。短歌と絵本という新しい組み合わせで、注目を集めました。
  
ちなみに私が始めて作品に出会ったのは、1995年の落選時。「こんなのあったよ」と当時の恋人がインターネットに掲載されていたものを打ち出してくれたもので、今では苦い思い出です。

さて、本書は、前述のデビュー2作に続く第三歌集、主に作者が十九歳から二十九歳のころにつくられた作品で構成されています。
 
大きな版、刺激的な内容、見開き2ページに極太ゴチック体ででかでかと書かれた、強烈な装丁と、当時の歌壇に喧嘩を売るがごとき作品集に仕上がっているので、毀誉褒貶は激しいと思いますが、個人的に言って、その後の短歌の裾野を広げた功績はものすごいものがあると思います。
 
正直なところ、今読むと「若造が世を拗ねた感じ」がしてしまい、歌自体はそれほどいいなあと思うものが多くはないのですが、1首だけ、これは!!という歌を紹介しておきます。
 
わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに