クレームとわたし

電話でお客様応対させていただいている以上、どうしたってクレームとは無縁でいられません。明らかにこちらのミスの場合はまだよくて(良くはないけど対応はしやすい)、完全にお客さんの勘違いの場合や、相手の言い分ももっともだけどこちらにも非がない場合なんかだと、事を収めるのに文字通り四苦八苦することもしばしばです。
 
以前、運送会社に勤めていたときなど、「おたくのトラックが高速道路を80キロで走っていて迷惑している」というクレームすらありました。ちなみに大型トラックなので法廷速度は80キロです。でも、片側一車線で追い越しの出来ない高速道路なのに、80キロで走られたら迷惑だというお客さんの言い分ももっともなわけです。その話はいわば社内の伝説になっていたもので私自身が対応したものではないのですが、いったいそんな電話を受けてしまったらどうしたらいいのでしょう。
 
なんて、ことを言い出したのは、本日その手のクレームにぶち当たったからなのです。
まあ、上の例よりはかなりましで、ポストに入っていたうちのチラシを見て「脅迫状みたいなチラシを入れて、どういうつもりだ!!出るとこ出て訴えてもいいんだぞ!!」ぐらいの勢いで電話をかけてきたお客様だったわけです(もちろん脅迫なんてしてないですよ)。
とりあえず平身低頭しながら言い分を聞いて、ひたすら謝りつつ誤解であることを諄々と解き、今後はお客様のお宅にはチラシを入れるようなことがないようにします、ということで納得していただいたわけです。最後には、残業させてすまなかった、仕事がんばってね、とまでいっていただけたのでクレーム処理としてはまずまず及第点ではないかと自己採点していたわけです。

でも、その結果を上司に報告したら、ひとこと「ああ、さっきがんばってたやつでしょ、適当にあしらって置けばよかったのに」と言われてしまいまして。確かに上司の言うことはもっともで、上のクレーム対応で私が費やした時間は30分弱、費用対効果を考えたら経費がかかりすぎなわけですね。これはよくない。かといって、すみません、以後気をつけます、だけ言ってあしらったら、たぶんお客さんには不満が残ってしまうような気がしてならない、どうしたらいいんだろうと帰りの電車の中で考えて、相手に納得してもらいたいという気持ちにこだわりすぎてるのかもしれないということに思い至りました。
 
もともと、売るときも納得してから買って欲しいと思っちゃうし、自分が基本的に納得したいタイプなので、そこで妥協はしたくない。でも、たぶんもっと短い時間で相手に納得してもらえるようにするためのスキルがまだまだ私に足りていないんだ、そう思ったらもうすこしがんばれそうな気がしてきました。